お兄ちゃんは危険な××!


佐伯先輩は、目をまるくしてお兄ちゃんのほうを見た。


「これ、須藤くんのだったの?」


「ん、まぁ……」


歯切れ悪くお兄ちゃんが答えると、佐伯先輩はすぐにわたしへと視線を戻した。


「じゃあ私貰ってもいいかな?気にいっちゃった」


「え……、それを、ですか?」


どっからどう見てもただのカメのおもちゃなのに。

そんなガラクタ、を?


「うん。優絵ちゃん、いらないんでしょ?」


ね?

という感じで首を傾げて、わたしの顔を覗き込む。


わたしは何も言えずに、先輩とカメを交互に見比べてから、こくんと頷くしかなかった。



佐伯先輩はぱっと顔を輝かせて、うれしそうにカメを胸元に当てる。


「ありがとう、優絵ちゃん!」




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