お兄ちゃんは危険な××!
日菜子は甘い言葉ではなく甘いお菓子によく釣られる。
「じゃ、行ってくる!」
「いってらっしゃ~い」
日菜子がのんびりした声で言うのを背中で聞きながら、こうしてはいられない、と勢いよく教室を飛び出した。
さっき、突然空から降ってきたのは大量の雨、じゃなくて、大粒の飴!
こんな常識ハズレなことが起こるとしたら――
いや、
起こせるのは!
お兄ちゃんしかいない!!
私は一目散にサッカー部の練習場を目指して猛ダッシュした。