お兄ちゃんは危険な××!
お兄ちゃんは、少し黙ったあと「ああ」と言って頷いた。
「すごいですね…、サッカーもできてこんなものも作れるなんて、先輩天才ですよ。尊敬します」
そうきたか……!
お兄ちゃんはまぁな、とキャプテンモードをはかろうじて崩さずにふふんと鼻を鳴らして得意げだ。
二井くんはさらに続ける。
「今度何か作ったら俺にも見せてください」
ヒ――!!
やめて!
これ以上お兄ちゃんを図にのせないで~!
二井くんの口を塞ごうと手を伸ばしたとき、校舎のほうから間延びした声が聞こえてきた。
「こら~、お前らか?学校中に飴をバラ撒いたのは~。片付けて帰れよ、ベタベタするからな」
体育教師の野田先生がくあぁと欠伸をしながら面倒そうにメガホンを片手に言って、それ以上咎めるわけでもなく校舎の中に消えていった。
「「「………」」」
3人の頭の上に乗っかった色とりどりの飴が、キラッと輝いた。