花を愛すように君を愛そう。
残酷ととるか、幸運ととるか。 *菖蒲*
*菖蒲視点*
いつも無愛想だと言われ続けて来た。
よく言われるのは何を考えているか分からないという言葉だった。
それがいとも簡単に崩れた。
「えへへ~。僕たち幸せになりま~す!」
親友の突然の家出宣言に腰が抜けた。
「おっ邪魔しまーーーす!
あやたんいますかあ~~?」
と、いつも通りイラつく声で家に上がりこんできた、自称俺の一番の親友とやら、梓は来た瞬間爆弾を落としていった。
「はあああああああ~~!?」
気付いたら叫んでいた。
その声は家中に聞こえていて、隣の桜のうちの親父さんが心配した顔で「大丈夫か?」とうちを覗きに来たぐらいだった。
(一生の恥だ・・・。)
和室の俺の部屋できちんと正座している梓は、
いつも以上にニコニコ、ニコニコしている。
おかげで、ウザさも倍増。
いきなり大きな荷物を押し付けられた気分だ。
「ダメじゃん。大きい声出すとばれるだろ」
おい。悪いのはどっちだ。
いきなり言ったお前がどう見ても悪いだろう。