花を愛すように君を愛そう。
そんな、菖蒲さんに驚いたことをよく覚えています。
そのときの私の菖蒲さんのイメージは今と少し違っていて、
なんとなくいつも不機嫌そうな顔をしていて、クールな人だと思っていました。
家にいるときも、家族と話しているのをあまり見なくて。必要最低限のことしか話していなかったような気がします。
そんな人が何で私と話をしてくれるのか、不思議でたまりませんでした。
今も、です。
今も菖蒲さんは私に優しくて。そのやさしさはどういう意味なのか。聞きたくても聞けないループに陥っています。
妹に対しての愛情だって分かっているのですが・・・。
もしかしたら、その愛情は私のことを『愛している』と言う意味だったら・・・。
なんて。乙女な事を考えてしまいます。
だめだめ!!
乙女チックな恋愛ごとを考えるのは学校でも禁止されているでしょう!!
私たちの学校では嫁いだ先の旦那様につくすことが真の愛とされていて、
渚ちゃんのように駆け落ちなんてもってのほかとされています。