花を愛すように君を愛そう。



家に帰るのがとても憂鬱。



それでも隣にある家ですからすぐ着いてしまいます。



いつもなら軽い力で開く玄関扉が重いのは、私の気持ちが重いせい。



「ただいま帰りました 」


その言葉を待っていたかのように使用人が一斉に動き出す。



どうして?



今日はいつもと雰囲気が違う。



どうしてみんな嬉しそうにこちらに微笑みかけるの?



どうにもこうにも気持ちが悪く、どうしても理由が気になるので、使用人の中でも長を捕まえて話しを聞いてみた。



「百井!!
どうしてこんなにみんなの様子がおかしいの?」



「それはですね。


………これからのお話が、桜様にとってとてもよいお話だからですよ」



とてもよいお話?



どういうこと?




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