花を愛すように君を愛そう。
運命に私は逆らうべきなのだろうか。 *桜*
どのくらい時間が経ったのでしょう。
意識を失った私は使用人に運ばれたらしく、いつの間にか部屋のベッドに横たわっていました。
ああ、またあの顔をしたお父様が思い出されます。
私を道具にしか見ていない目。
私の家は少し複雑な家で、私は前妻の子どもで前妻が菊池の娘でした。母は身体が弱く、私を命がけで生んでからの産後の肥立ちが悪く、そのまま死んでしまったそうです。
婿として菊池の家に入った父は、養子縁組までして入ったので事実上菊池家の長男として扱われます。
一人っ子だったお母様。もちろん兄弟などいないので、無くなった菊池家は唯一の娘である、私が継ぐはずでした。
けれども・・・。そう上手くはい来ません。
父は、後妻を迎えたのです。