あやめ



僕がもっと強ければよかったのだろうか。


いじめている女の子に、はっきり言えばよかったのだろうか。


みんなに、ありもしない話を信じるなと言えばよかったのだろうか。


いじめは一度生まれたら、簡単には消えない。


僕なんかの力で、それが無くなるとは思えなかった。


どうやったら莉子を守れるのか、わからなかった。


それは今でも同じ。


何をどう後悔したらいいのだろう。


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