あのね、スキ
『ど、どーも。南條実紅です』
あたしの言葉に"知ってる"って笑いながら、近づいてくる。
「実紅ちゃんとお話したくて、追いかけて来ちゃった」
テへ、と言わんばかりに舌をだして笑う由季さんは可愛い。
ところで由季さんは、
なんであたしを知ってるんだろ?
『あ、たしにですか?』
コクンと頷いた由季さんは、
「ちょっとうちに寄ってかない?」
すぐそこだから!と付け足し、あたしを引っ張って歩き始めた。