あのね、スキ
先輩に追いついて、
何も言わない先輩のあとをただ歩く。


でも、いいんだ。
もうすぐ見れるから


玄関を出て、だるそうに歩く先輩
その後ろを遠慮がちに歩くあたし


先輩がいきなり口を開いたと思ったら


「お前 俺の何がスキなわけ?」

だって。


あたしを振り返るわけでもなく、ただだるそうに声だけをあたしへと降らせる。


そんなことでさえ嬉しい!



< 8 / 54 >

この作品をシェア

pagetop