honey*bitter~赤い車の秘密
…行ってみれば。
案の定、悪い予感は的中。
二度も。俺にこんな場面を見せて、
あいつらは殺されでもしてーのか?
今にも泣きそうな…
初対面の女の子。
考えるより先に体が動いていた。
あいつらの汚い手を
殴るように振りほどいて
『ちょっと我慢』って
俺はその子を抱き上げた。
着ていた上着をふわっと肩にかけて
思わず、助手席に乗せた。
そして何故か怒ってしまった。
だってさ?
あんなのについていって
何かされることは承知の上だったわけ?
彼女にしたことを
違う女に再びする神経がどうにも腹立たしく過ぎて。
とりあえず、格好を見れば制服。
きっと今、すごく怖い…よな?
顔を見れば、痛いほど恐怖心が伝わってきた。
どうにも放っておけなくて、
「…なんもしねぇから家くるか?」
その子は小さな可愛い声で頷いて
俺は自分の家に連れて行くことにした。
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