honey*bitter~赤い車の秘密




数分経って、いきなり鳴った電話の着信音。



誰かも確認せず、慌てて通話ボタンを押した。




『っあ〜…
ちいちゃん?』



え、え??



『しゅ、んすけ、さん』

昨日と同じ、低めの優しい声。


心臓がばくばくしてるのが自分でもわかるよ?




『いや、電話の方が早いと思って。今大丈夫?

ってか俊介でタメでいーって』


『え、あっはい…うん。』




『今帰りなんだけどさ、今からでも大丈夫?』



い、今から!?


聞いてると、偶然今あたしの家の近くらへんだし。



でも超部屋着なんですけど!



『ごめん急だよな?』



って申し訳なさそうな声。



…よし、関係ないっ!




気付いたら、財布と携帯を持って家を出ていた。






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