honey*bitter~赤い車の秘密
〜side 勇介
「ただいま〜」
肌寒い外の空気から、ちいの作る料理のあったかい空気に切り替わる。
「おかえりー♪」
パタパタとスリッパを鳴らしながら慌て気味に走ってくるちいは、今日の疲れなんかを全部忘れさせてくれる。
何故か片手にスポンジを持って俺を見上げる姿は、可愛すぎて抱きしめたくなる。
こいつバカだし、記念日なんて覚えてんのかなぁ?
「?俊介ー?」
「あ、なんでもない。今日はなにつくったの?」
「あのね時間なくって〜……」
気になってるくせに、無理にきかなくて。
昨日元気なかったのも、きっとそのせいだろ?
「オムライスだけど、プリンもつくったんだよ〜♪」
振り向いて可愛い笑顔を見せてくれる。
だから、言わないことにする。
意地悪でごめんな?
気づいてほしんだよ、
俺はちぃだけだよって。
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