honey*bitter~赤い車の秘密



ご飯を食べ終えて、冷蔵庫からプリンを出したり洗い物をしたり、パタパタ駆け回るちい。


それを見て笑う俺に、少し怒ったり。


ころころかわる表情に、飽きないなーなんて思ったり。



――――――――




やっと落ち着いたのか、慣れた手つきで入れたコーヒーを俺に手渡して座った。


1ヶ月くらい前は、俺がちいに入れたっけ?


久しぶりに入れるミルクが少しくすぐったかったり。


テレビでかかるバラエティーに目を向けながら、プリンを頬張るちいを見て、そんなことを思い出した。





「ちーい」


「……んー?」


視線はテレビに向けたままから返事。



「出掛けるよ」



「うん〜……っえ?」



目をまんまるにして、やっとこっちに顔を向けた。


「はやくテレビ消して、電気もね」



リモコンを探したりあたふたするちい。


俺は鍵と財布と、ちいの上着を持って外に出た。


外に出ると息が白い。
さっきよりも寒くなったなぁー。


風邪ひかなきゃいいな、ちぃ。



慌てて外に出て鍵をかけるちいを確認して、助手席のドアを開けた。





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