honey*bitter~赤い車の秘密




「……ごめん、あたし…」



はっとして急いで立ち上がろうとするちぃの
目の前に俺はしゃがんでみた。


そしてまだ、涙のたまった瞳をのぞき込む。




「もっと甘えて、ワガママになって、怒って

それをちぃがしたとしても、俺は絶対
お前が高校生だからなんて、
ガキだなんて、思わないよ?

我慢することが大人なんて、
誰も思ってねーんだから、な? 」


驚いたように顔をあげたちぃに、
なんだか急に照れ臭くなって
ちいのほっぺをぷにってつまんだ。


「確かにきれーなおねーさんも大好きですけど」

「へ……」


「うちの彼女で手一杯だから、そんな手だしてらんないわけさ」

困ったような、安心したような顔がかわいくて、
しゃがんだまま頬にキスをした。


「じゃあ、昨日の…おねーさんは!」

「は??」


騙されんとばかりに、突然顔を上げたちい。
 


昨日の…おねーさん?
俺、昨日こいつと出かけたか?




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