honey*bitter~赤い車の秘密
「電話してたとき、俊介女の人といた。
友達だって言ってくれなかったから、
誤魔化したから、不安で、
あたしなんかより…きれいで、
俊介を触られるの、やだったよ」
つぎはぎの、ちいの言葉が、胸に刺さる。
さっきの言葉は、それからきてたわけね?
見られてるなんて知らなかったわ。
「…その上着の、ポケットあけてみ?」
ちいが抱えてる俺の上着。
それ、俺が着てる予定だったから、
俺、まじかっこわるい。
「…手袋?」
「お前いっつも手つめてーじゃん?
血の繋がった、おねーさんと選びました。」
ちいによく似合う、薄ピンクに白地の可愛い手袋。
一つしか変わらない姉は、自分で言うのもなんだが
弟思いなタイプで、
一緒に選んでくれなんて頼んだら、
妙に協力的になられちゃって、
昼飯ついでにちいのことを全部吐かされた。
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