だから、また君は

03



片付けが終わった後、
静かになった道場に02人が残った。


「なんすか」
「お前最近変だぞ」


そう告げる先輩は辛そうだった。


「別になにも」
「…瑞季関連じゃないのか」
「なんで…ですか」
「…予想的中だな」


先輩はため息をついて首を振った。


「別にそうじゃなくて…」
「どうせ腹いせにあの女と付き合ったんだろ」
「…付き合ってること…なんで」
「さっき来ただろ、大声だして」 

先輩は何でもお見通しで、
見通されてしまうくらいに
単純な自分が嫌になった。


「…確かにそうです」
「みいが好きなんだろ?」


先輩からの問い掛けに
俺は迷ってから大きく頷いた。


「みいはいい子だよ。」
「知ってます」


少しムッとして俺は言う。


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