だから、また君は
02
次の日。
一応持ってきた差し入れを手に握って、
わたしは武道館前にいた。
「今日は久しぶりに将くんでるの!!」
将の名前が聞こえて振り向くと
そこには千秋がいた。
周りの女子は…塾の人。
「千秋、よく知ってるね~」
「当たり前♪彼女だもん♪」
だよねー、アハハーという声は
わたしの横を通り過ぎていった。
将…付き合ってたの。
他の誰かならよかった。
なんであの子なの。
でも将は友達だから、
応援してあげなくちゃ。
待って…
将は今、「友達」なの?
複雑な思いがわたしを貫いた。