だから、また君は
愛×敵
01
フラフラしつつ家路につく。
自転車を漕ぐ足は重くて、
そのうち漕ぐのをやめた。
ハンドルを強く握って
前だけを見て歩き続ける。
そのうち、目の前の風景が
なぜか滲んで見えなくなった。
…俺、泣いてんだ。
自然と涙がでてくる。
好きな人への他人への想いを応援し、
そいつの親友の恋路は応援できない。
自分の不甲斐なさが嫌になる。
…俺は馬鹿だ