だから、また君は


その日の夕飯はカレー。


「なんで黙るのよー」


母は無言でカレーを貪る
俺達02人を見てため息をついた。


「「こいつが悪い」」
「「真似すんなよ」」
「好きになさい」 


もう一度大きくため息をつくと
母…美里さんは立ち上がった。


美里さんは本当の母親ではない。
死んだ本当の母の代わりの新しい母親だ。


美里さんとは年が10しか変わらず
しかも若々しい人なので、
母と呼ばれるのを嫌っているのだ。


「美里さんはどー思う?」


口を開いたのは晃だった。


「なにが?」
「好きじゃない人と付き合うこと」
「晃が?」
「違うよ、晃じゃなくて将。」


美里さんは困ったように首を傾げた。


「将、そうなの?」
「…そうだよ」



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