君がシンデレラ!
1.靴を落としたのはダレ
「痛ったぁ!!!」
わたくし、宮田千早
学校の階段から、ズッコケました。
「ありえない、ありえない
無理無理無理ないないない」
必死に1人で喋って、恥ずかしさを紛らわす。
でも転んだ瞬間、誰も近くに居なくて本当に良かったと思う。
なんだか片足がスースーする。
足元を見ると紺色のソックスが直に見えてて、階段の上に視線をずらせば靴ひもがだらしなくほどけたスニーカーが一足転がっていた。
あたしが転んだ原因は恐らくあれだ。
あれで間違いないはず。
手すりにつかまりながら、しぶしぶ片足で跳ねて階段を上がる。
…けど、途中で足が止まった。