君がシンデレラ!



んがっ、

な、なんじゃこりゃぁあ!!



掲示板にはA4サイズの貼り紙。

そこには、
"宮田捜してます"の文字とともに、画鋲でつるされた一足のスニーカー。

まぎれもなくあれは、あたしのスニーカーだ。

さっき落としてさっき拾われてさっき渡されかけたあたしのスニーカーじゃないか。

なんだこの晒されてる感。



「宮田って、あの宮田?」

「D組の宮田さんじゃない?」

「これ、捜してるって誰が?」



やばい、確実に疑われている。

一躍ウワサの人じゃないか。

そういえばさっきから、あたしが自意識過剰じゃなければ、なんとなく、周りの野次馬どもに見られている気がする。

注目されるのは悪い気しないけどさぁ…



「宮田さん、これって…」

「NO!ノーNO!アタシ宮田ジャアリマセーン!!」



…………


咄嗟に嘘をついてしまった。

しかもカタコトで。

いや、宮田だろって言うマルの突っ込みが入る。

より注目されたのは、言うまでもない。




「誰か、知らねー?」



靴の捜し主が現れる。

もちろん、予想通り関谷海。

そりゃそうだよね、そうだろうよ。

一度あたしの発言によりシーンとなった場がまたざわざわし始める。

あー、やばい、どうしよう。



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