君がシンデレラ!



あたしと関谷海の一挙一動を生徒達が見ている。

なんだこの状況は。

終わった、あたし確実に明日しぬ。



「これ、落としたよな」



関谷海が、あたしの靴の靴ひもを持っている。

目の前でぷらーんと揺れてるのは、まさに、正真正銘あたしの靴。

しかもその靴の後ろには、ご丁寧にもあたしの名字が書いてあった。

馬鹿すぎる、馬鹿にも程がある。

なんでも無くし癖のある自分に今更後悔。



「あ、あたし宮田じゃないです」



なんとか最後の悪あがきで手を横に振る。



「や、でも名札に宮田って書いてあるけど」

「っあー!コレね!!
"土"って字が消えちゃったの!ほら、あたし、"宮里"」



無理矢理に名札にマジックで文字を付け足す。

これは…明らかに無理がある…



「おーい何してんだお前ら授業始まるぞ教室入れ」



ちょうどグッドタイミングで、担任がやって来た。

先生、最高!



「あ?宮田ァ、お前いつから宮里になったんだ、ゴルフでも始めんのか」



あんた、最低



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