ヴァンパイア様と猫
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それはまた、突然のことだった。
「んじゃ俺、元の家に戻るわー」
一週間するかしないかの内に再び実家に戻る宣言をしてそれを簡単に行動に移した匙月。
いや…あんだけ騒がしといてこんなにもあっけらかんとした終わり方なの?
そりゃ妙なグダグダがあるよりも数十倍…いや数百倍も楽ではあるのだが。
あまりにもあっけなさ過ぎて逆に困惑してしまう。
だがそんな心境のあたしをお構いなしにことは進んでいって結局、あたしと依智の二人っきりに逆戻りしたのだった。
匙月が出ていってからもう一ヶ月近く経っている。
そしてちょうど匙月が出て行った日から毎日のように血を求められている。
あと他に変わったことと言えば…あたしの内心環境(?)。
前までは血をあげることに多少の抵抗はあったが別の感情があったわけではない。
しかし今では血をあげることに抵抗は全くと言っていいほどなく、触れられた時に『もっと触れてほしい』とか思う。
あたしの中での小さな変化。
だけどこの変化は確実にあたしと依智の未来を変えていっていたんだ………。
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