ヴァンパイア様と猫

あのあとどちらも話すことなくお互い自室へと引き上げた。


なんかこの生活が固定している気がしてならない。


一人ベッドに寝転びながらそう思うと同時に浮かんでくるもう一つの感情。


一人が…一人のベッドってこんなにも広くて寂しかったっけ?


いつもより広さを感じるベッドのシーツを握ってあたしはいつの間にか眠りについていた。




「───…ん」


うっすらと目を開けると見慣れた天井。


あたし…寝てたのか…。


ボーッとそんなことを思いながら枕元に置いてある時計を手に取った。


………11:30。


結構寝てた…な。


手櫛で髪を整えながらリビングへと降りているあたし。


喉が渇いたので飲み物を飲もうと冷蔵庫を開ける。


………なぜ酎ハイしかないんだ。


心の中でボソリとツっこむも勿論誰も答えてくれるわけなく虚しさを感じた。


ハァ…と軽くため息をついて酎ハイ以外に唯一あったミネラルウォーターを飲んだ。


冷たいミネラルウォーターが暑さでほてっていた体をジワジワと冷やしていく。


ふと時計に目を向けるともう12時手前。


時間経つの早い…。





.

< 114 / 144 >

この作品をシェア

pagetop