ヴァンパイア様と猫

あぁ…もう。


今日はなんて最悪な日なの!?


始業式だってことを忘れた上に式の真っ只中に平然とドアを開けるわ、

寝てたら罰として転校生の校舎案内を命令されるわ、

しかもその転校生に関わってはいけないと本能がいうわ、

親友には説教されそうになった挙げ句、売られるわ………


なんてツイてないの?




ため息をつきながら家路につくと後ろから肩を叩かれた。


クルッと振り返れば知らない男の二人組。


………知り合いにいたっけ?


どうも人の顔を覚えるのが苦手なあたしは一度会っただけの人なら忘れてしまう。


だから結構厄介だ。


ナンパされても昔の同級生と言われれば『そうなのか』と納得するから。


だから今回も厄介。


あたしって神様に嫌われてるのかな?


なんか今日、ひど過ぎだと思いません?


なんて自分の世界にトリップしていた。


面倒なの嫌いー。


しかも今日は知り合いだとしても着いていく気分じゃないー。


気分で自分の行動を決めているのを改めて猫だ、と感じ取ったのだった。


自由勝手、気まま。


あー…完璧に猫ですね。





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