ヴァンパイア様と猫

「美依さー…変わったよね」


いきなり、しかも何の脈絡もナシにそんなことを言い出した匙月。


正直に言わせてもらう。


いや、このことは前から思ってたことなんだけど今あえて言わせてもらう。


「匙月は主語ないから何が言いたいのかイマイチ分かんない」


そう、この男は毎回って言っていいほど主語が足りなく感じるのはあたしだけなのだろうか?


いや、あたしだけだとは思いたくないんだが。




顔を少ーし歪ませながらそう言えば返ってきた言葉は


「性格」


と単語のみ。


いやさ、今さっきからの話で何かは分かるよ。


だけど単語のみって…どうなの。


もう美依さん泣いちゃいますよ?


や、実際には泣いたりなんかしませんけどね。


あ、性格って…うん、匙月の言いたいこと分かったかも。


こーゆー内面で考えるとことかあと態度的なものが変わったんだよね、あたし。


「間違ってはないけど…なんか刺々しくなった」


………アハハ。


あたし、声に…「出してるよ」ですよね。


刺々しくなった、かぁ。


スッと目を細めて目の前のアイスココアを見る。





.

< 123 / 144 >

この作品をシェア

pagetop