ヴァンパイア様と猫
学校が始まってすでに一週間経ちました。
何事もなく穏やか…って言いたい所。
言いたい所だけど全然穏やかじゃないんだよね。
女子の皆さんが。
いまだにあたしの家に帰ってきてない依智だから勿論、学校にもきてない。
それだけでもかなり騒がしいっていうのに女子の皆さんが騒がしくなるさらなる理由があるから。
それは自称"依智の婚約者"がこの学校に転校してきたからだ。
その自称"依智の婚約者"は勿論、依智の婚約者だと暴露した。
だから女子の皆さんが騒がしいのだ。
授業を裏庭でサボりながら考えてみる。
サボるといっても今は文化祭の準備で授業なんてしてないし皆バタバタと動き回ってて誰が何処にいるかなんて把握できないから抜け出した。
まぁそんなことはどうでもよくてだ。
「婚約者ってことは…」
「勿論、考え通りヴァンパイア」
あたしが予測していたことを誰かが言ってのけた。
てゆーかこの声。
「なんでここにいるの?あたしに何か用?」
ぶっきらぼうに問いかける。
「この学校の生徒だから」
返ってくる当たり前の答え。
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