ヴァンパイア様と猫
そのまんまの意味…ってことは。
「…もしかしなくても本当に婚約したとか言うの?」
ほぼ確信を持って尋ねる。
依智は満面の笑みを浮かべて
「大正解」
と言ったのだった。
………ちょっと待とうか、色々とね。
婚約ってのは結婚の約束ってことで、それは本人同士の意志がそこにあって…あれ、でもちょっと待って。
あたし、まだ依智に好きだとかそういう類の話してないし言ったこともないよね?
それにあたしが依智を好きだと気づいたのは依智が実家に帰ってた時だし…なんか色々矛盾点が。
あと婚約ってことは未成年なんだから親の許可もいるわけで………え、何、双方の両親はすでに了解済みだってこと?
一気に色々なことが頭の中をグルグルと回りだしあたしは足りない頭で考えるものだから結果がでなくて…最終的に出た言葉はなんともマヌケなものだった。
「婚約って結婚の約束だよね?」
うん、あたし何言った?
もう完璧にこんがらがっている頭で考える。
こんがらがっているのでまともな答えなんて出るわけないのだが。
そこはご愛嬌ということで。
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