ヴァンパイア様と猫

〜依智 Side〜


高校二年生になると同時に転校したオレ。


名前は水橋 依智。


転校初日に始業式があったがそんなのはオレの知ったことじゃない。


サボって大きな桜の木の上にいるといい匂いが香ってきた。


「!! この学校…極上の血の香りがするな………。 誰だか分かんないけど待ってろよ?」


クスクスと笑いながら呟いたのだった。




この時からオレの中の"何か"が変わっていたのかもしれない───…。


極上の甘い香りの中に、微(かす)かに獣の匂いも混ざっていたのに全然、気づかなかったんだ…。


いつもなら気づくハズなのに、な…。




この血の持ち主に獣の血が混ざっていることを知るのはまだ少し先の話───…。





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