ヴァンパイア様と猫
そんなあたしに気づいてか気づかずか─多分後者だろう─依智は再び口を開いた。
「俺は美依が好きだよ」
耳を疑う言葉にあたしは目をパチクリ。
で、出せた言葉はなんとも言えない。
「え、何…?もう一回Please…じゃなくてPlease me…じゃなくて…もっ回言って」
うん、もうあたし何言ってるんだろうね?
そもそも日本語と英語が混じってる上におかしい。
絶賛混乱中だよあたし。
また笑われてるし………。
「み…美依………ちょ…吃りすぎだろ…ッ…」
うん、もう声震えてるから。
そんな笑いながら言われなくても分かってるよ。
恥ずかしいんだからわざわざ言ってくれなくてもいいし。
もう穴があったら入りたい…。
なんだか自分が情けなくなりソファーの上で体育座りをして縮こまった。
膝で顔を隠してため息をこっそりとつく。
チラッと依智を見るとそれは楽しそうに笑っている。
あー…ま、依智があんなに楽しそうならいっか。
そんなことを思うあたしは相当、依智に溺れているのだろう。
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