ヴァンパイア様と猫

ふ…


「ふざけんじゃねー!!!!!!!!!!」


なぁにが


"旅行"だ!!

"どのくらい家を空けるか分かんない"だ!!

"下宿人"だ!!

"粗相のないように"だ!!


なんて両親なんだよ!?!?!?!?!?


こんなにも非常識?奇想天外?能天気?考えなし?の親、いんの?


………あ、あたしの両親がそうだわ。


身近に居すぎたわ………。




怒りを通り越してしまいもう呆れたあたしはソファーへと体を沈めた。


それからもう一度、紙を手にとって見てみた。


…さっきは親の馬鹿っぷりに目がいって気づかなかったけど、素晴らしく想像もつかないことが書かれているではないか。


"下宿人"だと?


フフフ…


アハハハハッッッ


「あんのクソ両親!!」


ソファーから立ち上がる前にそう叫んだ。


そして立ち上がったのはいいが…


「ッたー!!!!!!!!!!」


勢いよく足の小指をテーブルにぶつけてしまったのだ。


あぅぅ…痛いよぅ………


涙目になりながら足の小指をさすっていたあたし。


下宿人のことなんかすっかり忘れていた。


その下宿人がこの生活を変えるなんて、あたしは知らない…。





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