ヴァンパイア様と猫

翌日。


「おは───…にゃっ!!」


おはよー!!と言おうとしたらドアの微妙な段差に躓(つまず)きました。


顔面強打する!!と思って目をつぶったが…一向にそんな様子はない。


そのかわり、と言っては何だが、やけに暖かい感触に包まれている感じがする。


不思議に思いながら目を開けると周りの女子は欲望の眼差し、男子は嫉妬?の眼差しが集中しているではないか。


疑問を抱きながら真正面に向いて顔を上げると───…




「にぎゃぁぁぁああ!!!!!!」


なんと水橋クンが。


こけそうになったのを支えてくれたみたいだ。


てかこの悲鳴?は助けてもらった人に対して失礼だよね…。


しかもなんとも女子らしからぬ叫びかた。


あぁ…なんか泣けてくるかも。


助けてもらったのにお礼も言わず自己嫌悪に陥るあたし。


たしか昨日も助けてもらったのに…ねぇ。


ちゃんとお礼もしてないよ…。


一度ならず二度も助けてもらったってのに…恩知らずとはまさにあたしのことだ………。


まさかこんな言葉が自分にピッタリになるとは思いもしなかった。





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