ヴァンパイア様と猫
教室の隅でイジイジしていると…
「美依ー。 なぁにイジイジしてんだよ?」
頭上から降ってきた声。
!!!!!! この声は………
「裟菟(さと)ー!!!!!!」
あたしの中学からの唯一の男友達・裟菟だ。
バッと勢いよく立ち上がり、裟菟の腕の中へと飛び込んだ。
はー…やっぱり裟菟の腕の中は落ち着くわぁ………。
なんて呑気に思ってた。
一方、周りでは───…
「裟菟、ずりぃよな…」
「オレだって美依ちゃん、抱きしめてみてぇよ」
と男子。
「美依、いいよねー」
「飛び抜けて可愛いって訳じゃないけど仕草とかね…」
「あたしが男だったら確実に惚れてるだろうから仕方ないよ」
と女子。
だが、助けたのに叫び声をあげられてしまった依智は周りの声など一切耳に入ってなかった。
周りの目も気にせずいた美依に一喝したのはやはり親友の佑祢。
「美依? 時と場所を弁(わきま)えようか?」
そう、佑祢がそう言った時にはすでにHRが始まっている時間なのだった。
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