ヴァンパイア様と猫
酷いことを言う匙月先輩にあたしは目に涙を滲ませて見た。
「匙月…の意地悪ぅ………」
睨もう、と思ったが匙月…の方が座っていても背が高いので無駄だとあたしは感じていた。
だが、匙月と畝妓先輩はあたしを見て顔を真っ赤に染め上げた。
んぅ?
「匙月ぃ? 畝妓先輩ぃ?」
二人の目の前で手を振ってみるも反応ナシ。
ちょっ…悲しいんですけどぉ。
頼んでいたホットミルクを飲みながら二人が元に戻るのを待っていた。
………数分後。
『ハッ!!』
二人して元に戻った。
匙月と畝妓先輩ってよく息が合うよねー。
客観的にそんなふうに思った。
だがそんなことを考えていたせいでホットミルクをフーフーせず飲んでしまった。
「ッ!! ぁつ…」
舌がジンジンしてきてようやく火傷したんだと気づいた。
涙で滲んでいた瞳をさらに潤ませてヒリヒリするのを我慢するしかなかった。
「美依?」
呼ばれて顔を上げれば匙月のドアップが。
「うにゅ………匙月ぃ?」
名前を呼べば満面の笑顔を返されて………
チュッ
リップ音がした。
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