ヴァンパイア様と猫
ふとガラス越しに外を見れば真っ暗ではないか。
何時だろ?と思って携帯を開いてみれば7時。
んー…もうそろそろ帰ろっかな?
睨み合ってる匙月と畝妓先輩を他所に席を立った。
その音に反応してこちらに向く二人。
「んじゃあたしは帰ります☆ 何があったのかは知りませんけどちゃんと仲直りしてくださいね」
それだけを言ってカフェを出た。
いくら桜が葉桜になる季節になってきたと言っても夜はまだ寒い。
脱いでいたセーターとブレザーを着直して家に向かった。
家に近づいてきたので鍵を取り出せば玄関のところに人影が。
んにゃぁ?
あたしの家を訪問してくるのは友達くらいしかいない。
だけど背格好を見たらどうみても男。
よく分からず近づいて見てみると…
「ぇ…水橋、クン?」
本能が危険だと感じた水橋クンではないか。
え、ちょっ………は? どういうこと?
月明かりに照らされている水橋クンはいつも以上に綺麗で…混乱していた頭もすっかり落ち着いた。
そういえば…置き手紙に下宿人が来るって書いてあったな。
いや、まさかね?
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