ヴァンパイア様と猫
3
「………は?」
…一応言っておきますね。
この『は?』はあたしではなく水橋クンが発しました。
いやいや、『は?』はこっちの台詞ですから………。
もう一度確認するため覗き込もうとすると…
「ぅにゃっ!?」
自分の足に引っ掛かりました。
そして水橋クンの腕の中へダイブしちゃいました…。
「…へ?」
マヌケな声が思わず出た。
しっかり抱き留められていて暖かい体温に包まれている。
ヤバい………めちゃくちゃ気持ちいー…。
「んにゃぁー」
密着していた体をさらに密着させ頬を水橋クンの胸板にスリスリしていた。
「なぁ…」
水橋クンのその声に気づかずまだスリスリしているあたし。
「美依って言ったっけ?
アンタ本当に人間?」
………へ?
それなら…
「は!? てかアンタこそ
本当に人間なワケ?」
そう、ずっと感じていた疑問。
だが…
「オレの話はどうでもいいの。
んで? どうなんだよ?」
と言った。
むぅ…はぐらかされた。
「んじゃあたしの話もどうでもいい」
顔を背けながら言った。
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