ヴァンパイア様と猫

てかさ、あたしの"アノ事"バレちゃいけないんだよね?


なのに下宿人って…普通に考えてもおかしいよね?


一体何を考えてんだ、あたしの両親は………。


しかもあたしをフォローできる人は誰一人いないとか………あたしに『バラせ』って言ってるようなものだよ…。


うにゅぅー………


「お父さんとお母さんの馬ッ鹿ヤロー!!!!!!」


ちょっとした防音なのをいいことに大声で叫んだのだった。




「美依…五月蝿い」


ノックもナシに開かれたドアからそう言ったのは下宿人の水橋クン。


………人間離れしてる水橋クンはどうやら耳もかなーり、いいようです。


っていうかさ…。


「礼儀?として人の部屋を開ける時ノックをしましょうって習わなかったのー!?」


そうだよ、習って…


「んなの、知らねぇよ」


習ってない人がここにいたよ!!


ちょ、常識に欠けてるとか困るんですけど!!


ん、ちょい待とう、自分。


常識なんて人それぞれだから仕方ないか。


そうだよ、自分の常識が全部他人の常識とは限らないんだから!!


部屋に入ってきてる水橋クンに気づかずにそう考えていた。





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