ヴァンパイア様と猫
なんだよ、五月蝿いな…という目で依智に見られたが正直今はどうでもいい。
というかだ。
こんな叫び声をあげたのは依智のせいなのだからそんな目で見ないでほしい。
だってさ?
「何堂々と乙女の部屋に断りもなしに入り込んでるのよー!!」
そうだよ、それだよ!!
いや…自分のことを"乙女"と言ったのは寒気が走ったけど。
でもそうだよ!!
せめて入るときは断りくらい入れろー!!
「別に良くない? これから同じ家に暮らすんだしさ?」
………この方とあたしの感覚はどうやらズレているらしいです。
「にしても…」
うん、依智にとっては本当にどうでもいいんだね。
話、すぐに変えてるところから見て。
「この部屋、黒が多いなー」
そうなんです。
あたしの部屋は黒を基調としてるんですよ。
差し色として紫やピンク、白といった感じ。
「あたしの趣味」
キッパリとそう告げれば返ってきた答えは…
「んー…ぽいよな。 てかこの色合い、落ち着く…」
ぽいって褒められてんの?
てかここで落ち着かれても困るんですが………。
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