ヴァンパイア様と猫

なんて玄関先で一人悪戦苦闘していると…

ｷﾞｭｩｯ


後ろから抱きしめられた。


家の前でもこんなことをするのは依智くらいしかいない。


てか!!


「にゃんで抱きしめてんのよ!?」


……………。


しばしの無言。


多分、あたしが噛んだからだ。


こうゆう時の無言ってかなり恥ずかしいんだよね…。


羞恥に顔を染めると何か悪戯を思いついた感じで笑った依智。


な…なんか嫌な予感………。




「ニャッ!!!!!!」


いきなり首筋を舐められた。


首筋とか…なんかくすぐったいし変な声出るし…何より体の奥が熱くなるような感じ。


そんなあたしの反応を楽しんでいるかのようにクスクスと笑った依智。


こ…コイツ、かなり質(たち)悪い!!!!!!


てか本当にこんなことをしてるような暇はないんだった!!


「依智、あたし殺されちゃうから離れて!!」


そう言うと離してくれた。


ただ…かなり不審がられてる視線を送られたが。


まぁいきなり「殺されちゃうから離れて」って言われても意味不明だよね。


あたしでも思うもん。





.