ヴァンパイア様と猫
3
チラッとあたしの考えを窺うような感じで見てきた依智。
お任せって意味を込めて視線を返すと佑祢に向き直った。
あの顔は………シラを切るのか。
まぁ妥当だろう。
てかその判断が1番正しいだろうと思う。
「本当に美依はお風呂に入ってた。 な?」
同意を求めてきた。
「うん、着信あったのは聞いてたけど誰からとか聞いてなかっただけだし」
合わせるように答えて芝生の上に寝転んだ。
ふぁ…この陽射し、気持ちいいな………。
春の穏やかな陽射しに心地好い風があたしの眠気を誘った。
「ふーん…? あ、あともう一つ気になってたんだけど」
寝ようと瞼を閉じていたが佑祢のその声に開いた。
………んぅ?
「二人は一緒に住んでるの?」
あ、話し方元に戻ってる。
…じゃなくて。
なんか今さっき…物凄く重要なことを聞かれた気がするんですが…気のせいでしょうか?
ポカンとした表情で佑祢を見上げれば悪魔のような笑顔をしていた。
うっわ…何この子………。
悪魔の化身ですか?って言いたくなるよ…。
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