ヴァンパイア様と猫

恋人のように甘い時間。


だけどそれはあたしと裟菟にとってただのお仕置きにしか過ぎない。


だってあたしと裟菟はただの友達。


それ以上であるとするなら友達以上恋人未満という曖昧な関係。


甘いキスに酔いしれて我を忘れそうになることもあるが一線はもちろん超えてない。


そんなことした日にはこんなんじゃ済んでないし。




長いキスが終わってソファに寝転んでいると………。


ヴヴヴ…ヴヴヴ………


…ん?


なんか…あたしのポケットが震えてる?


ボーッとする頭で理解するのに時間かかりながらブレザーのポケットを探った。


相手が誰なのかも確認せずに電話に出た。


「は…い、もしもし…?」


少し甘ったるい声になってしまったがそこは仕方ないと思ってほしい。


さっきまで濃厚なキスをしていたのだから。


っていっても相手は何をしていたのか知らないから無理か。


ぼんやりとそう思いながら相手の返事を待っていた。


『………そんな甘ったるい声で電話に出るなんて一体何をしていたのか簡潔に答えろ』


携帯越しに非常に恐ろしい声が聞こえてきた。





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