ヴァンパイア様と猫
耳にあてた携帯から聞こえてくるのは虚しい機械音のみ。
あたし…命あるのかな?
てか厄日だ厄日。
今日だけでどれだけの地雷を踏んでるんだよ、あたし。
落ち込みながら再びソファに体を沈めた。
「やっぱいい反応するよな、美依は」
そう言いながら横に座る裟菟。
チラッと裟菟の方を見ればちょっと刺激的な格好をしている。
開(はだ)けたシャツに解いているネクタイ、しっとりした唇、潤んでいる瞳。
もう…フェロモンっていうのかな?が漂っている。
なんてゆうか…もうエロい。
うん、それ以外表現のしようがないよ。
と、そんな感じで見ていると…
「何? オレに見惚れてた? それとも物足りない?」
見惚れてたって…物足りないって………ねぇ?
唖然も唖然、いいとこですよ、ハイ。
「…そんな顔すんなよ。 冗談に決まってんだろ(半分)」
冗談に決まってんだろって…副音声の半分ってのが聞こえたんですけど。
あー…とゆうか。
「その服装直したら? 風邪引きそう」
あたしはこんな服装くらいで動じません。
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