ヴァンパイア様と猫


担任に見つかることなく家に帰宅したあたし。


授業を一つも受けてないのに怠い体をなんとか鞭打って自分の部屋にたどり着いた。


部屋に着いた途端、ベッドに倒れ込み睡魔が襲ってきた。


「ふにゃ…ねむ………」


階下で微かな物音が聞こえたとこであたしは夢の世界に落ちていったのだった。




「…い。 ………きろ。 …い」


耳元で聞こえてくる声に顔をしかめながら目を開けると…。


開けると?


閻魔大王様…いや、違いました。


依智様のちょっとお怒り気味のドアップが。


「に…」


「………に?」


依智様が聞き返したのと同時にあたしは叫んだのでした。


「にゃんでぇー!?」




そして今さっきから10分後の今。


非常に危険な状態にあるあたし。


なんでかって言うと目の前には再び依智様のドアップ、その背景にはクリーム色の天井、背には柔らかいベッド。


あ、付け加えるなら両手は依智様の片手に纏められてたりします。


つまりは…押し倒されてるんですよ。


ね、非常に危険な状態でしょ?


でもこんな状態になった意味がまったく分からない。





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