ヴァンパイア様と猫
「あ…あの………?」
と尋ねてみるが興味なさげな瞳で何?と言ってくるのみ。
正直怖いです…!!
せめて言葉にしてくださいよ!!
なんて頭の中で悶々と考えていたら………
「ひゃあっ!?」
依智の冷たい指先があたしの首筋をなぞった。
指先は冷たいのになぜか触れられたところは熱くなるという摩訶不思議な現象が…。
これは何なの!?とさらに頭の中がパニックになってしまう。
…こんな危険な状況と隣り合わせなのにいやにその危険を考えてないよな、とかは思わないで。
あたしだって少し冷静に考えてようやく思い出したところなんだから。
いつまでたっても口を開かないあたしに痺れを切らしたのか尋ねてくれた依智。
「ハァ………何?」
ため息混じりってのが多少…いや、かなり気になったが触れないでおこう。
「あのですね…!!」
この体制は何なのですか!?と聞こうとしたら首筋をなぞった指先が今度は鎖骨に触れた。
「…ッ」
小さく体が跳ね上がる。
それを見て楽しそうに意地悪な笑顔を浮かべている依智。
これでは聞こうとしても聞けない。
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