ヴァンパイア様と猫
表情で訴えることにしてみたが…アレだ、うん。
何故か顔が少し赤く染まったのみである。
一体全体どういうことなのかさっぱり分からないので一から順に説明してほしい。
つか赤く染めてないで話せ!!
と内心思うがそこは本人に言えないのがあたしである。
「………反則」
小さく聞こえたその声に眉をギュッと寄せる。
一体何が反則なんだ?
誰かー、依智翻訳してくれる人ー、今すぐ来て下さーい。
とか脳内で言ってみる。
だって「反則」とか言われても普通に困るでしょ?
なんて討議?を続けていたが終止符を打ったのはこの話題の張本人だった。
「ハァ…もういい。 後でな」
それだけ言って離れていってしまった依智。
なんだか寂しさを感じるような…ってそんなことない!!
断じてない!!
とか思ってみるがやはり胸の奥に感じる空白はいつまで経ってもとれないでいた。
結局ああなった(押し倒された)理由はリビングで教えてくれたのでした。
依智曰く─安易に体とかを触れさせるな、そして男に着いていくな─だった。
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