ヴァンパイア様と猫
2
「………んっ…」
独特の薬品の匂いに思わず顔をしかめながら目を開けるとそこには白い天井が広がっていた。
独特の薬品の匂いに白い天井…。
チラッと視線を横に向けると白いカーテンでこの白いベッドが囲まれている。
カーテンの外側からはうまく聞き取れないが何かを話している声も聞こえてくる。
………誰かいるのかな?
ってゆうか…
「いたーい…」
小さく呟いた声と同時に顔を歪めた瞬間、囲っているカーテンが勢いよく開かれた。
痛みもあるが今はそっちのほうに驚いた。
………って依智と裟菟?
この二人が揃ってるなんてレアな光景だぞ。
写真撮ってこの二人のファンに売り付けたら…ってナイナイ。
あたし何考えてんのよ。
と頭の中の考えを消すように頭を振ったが…痛い………。
痛みに現実に戻されると急に背中と後頭部に激痛が走った。
思いっきり顔を歪めると慌てて二人はあたしの傍に駆け寄ってきた。
「「大丈夫か!?」」
ぇ…そこハモるんですか?
てかこの二人がハモるなんて…やっぱりレアだよ。
と脳内で考えた。
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