ヴァンパイア様と猫

ってちょっと待って?


………考えること数十秒。


「依智正気に戻ってるでしょ!?」


自分の正気をなんとか保ちながらそう言ってみるものの返ってきた答えは…


「全然正気じゃねぇよ」


否定、だった。


ちょっ…すんませんけど誰か止めてくれません?


や、冗談抜きで本気のお願いなんですけど。


誰でもいいからここに来てー!!ってそれだと依智の正体がバレちゃうかもだからやっぱり訂正。


あぁ…一体どうすればいいんだろう?


自分の無力さに内心、ため息をついたのだった。




「………だなー」


ふと聞こえてきた声。


言っておくがあたしと依智、端からみれば抱き着かれてるようにしか見えない。


しかも気のせいでなければその声が段々と近づいて来てるような…そんな感じがする。


…今の状況ってマズいかな?


裟菟とだったら別に構わないんだけど依智ってなんか一匹狼のイメージがあるから…なぁ………。


そう思い依智に呼び掛けた。


「依智…誰かこっちに来るっぽいから離れて」


そう言っても離れる気配を見せない依智。





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