ヴァンパイア様と猫

い…一体どうすればこの危険な状況から逃れることができるんだ?


あたしの低脳な頭で考えてみるも何も思いつくはずもなく…。


「美…依?」


この場面を見られてしまった。




………えーっと…。


「匙月?」


お久しぶりの登場、匙月です。


皆さん、忘れないであげてください。


何故ここに副会長でもある匙月が…?


そんな疑問はどうやら声に出していたらしく匙月は苦笑いしながらこちらにやって来た。


「ん? 会場に美依の姿がないなー…と思って。 あと…噂の転校生君の姿も見えなかったから」


そう、答えてくれた。


噂の転校生君って…やっぱり依智だよね?


ん…? 依智…?


そこでふと我に返る。


あたしの首筋に顔を埋めている人物を。


あああ…どうしましょ!?


なんて内心慌てていると…


「にしても美依、転校生君とそんな関係?」


指差されながら聞かれた。


匙月…気づいてたんだ………ってそうじゃなくて!!


「そんな関係って…そういう風に見えます?」


答えたのは今まであたしの首筋に顔を埋めて黙っていた依智だった。





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