恋物語
「なっ……何すんのよっ!」
暴れ始めた心臓が涼介に聞こえないように……そう願うばかり。
自分でも分からない。
涼介ごときにこんなにドキドキするなんて……
「お前さぁ、男の部屋に入るってどういうことか分かってんの?」
「だから……酔ってて覚えて……」
「そういう問題じゃねーだろ? ったく……一応、女なんだからもっと自分の身を守れよ」
涼介の鋭い目と優しい言葉。
初めてだ。
涼介がわたしのこと、女としてみてくれたのは――